まもなく東日本大震災から10年です。
いのひか出演の震災復興特番『ゼロからイチへ』を東北在住の友人に見せていただきました。
前を向いて歩き出す人々の力強さ…しかし現地では、未だに立ち入れない場所もあり、あらためて震災の残した傷痕の大きさを感じました。
番組では伊野尾くんが大学時代に訪れた陸前高田のラーメン屋さんの10年間の取材があり、私は震災直後から何度も現地に足を運んだ伊野尾くんの10年間も考えました。
ゼロからイチへ 東日本大震災から10年
震災復興番組『ゼロからイチへ 震災から10年』の概要は…
【制作】
・テレビ岩手
・宮城テレビ
・福島中央テレビ
【放送日時】
・2021年3月6日(土)13:30〜15:25
【出演者】
・八乙女光
・伊野尾慧
・林家たい平(声の出演)
現地の人々の「ゼロ」から「イチ」
東日本大震災でたくさんの物を失い「ゼロ」の状態になった人々は、この10年で新しい「イチ」を生み出しました。番組ではいのひかが取材VTRを通じて復興への思いに迫っています。
陸前高田市
「中華食堂熊谷」の店主熊谷成樹さんは、お店も自宅も流されて、2歳と0歳の2人の娘さんを育てながらお店を再開します。伊野尾くんは大学時代に仮設の建物で再開した熊谷さんのお店を訪れているのです。
震災直前に生まれて現在10歳の娘さんが、学校で震災のことを学んだ感想を聞かれて「災害が悔しくて、もう二度と来て欲しくない」と涙をポロポロとこぼしながら話してくれたのが印象的でした。
気仙沼市
大学時代のボランティアで現地を訪れた根岸えまさんは、気仙沼の人々の”生きる力”に惹かれて東京から移住した29歳の女性。底抜けに明るくて笑顔が素敵な方です。
漁師さんのための食堂と銭湯を営み、遠洋漁業に出ている漁師さんのために、街のニュースを発信しています。いつも元気な彼女に励まされている方は多いんだろうな。
南相馬市
震災後に災害FM局の依頼で無償でラジオ番組をはじめて、現地で暮らす方のべ600人の話を聞いてきたという作家の柳美里さん。鎌倉から南相馬市に移住して、書店兼カフェの「フルハウス」を開店しました。
このお店は、いのひかが表紙のHanako4月号でも紹介されています。
福島には未だに立ち入ることの出来ない地域があるんですね。東日本大震災の爪痕の深さを思い知らされます。
伊野尾くんと防災
私は番組の中で山本教授とともに、「中華食堂熊谷」で地元の子どもたちの話を聞いている伊野尾くんの写真を見て、彼の10年間にも思いを巡らせました。
大学時代の伊野尾くん
この時、伊野尾くんは高齢者に向けた避難地図「逃げ地図」制作の研究をしていたんですよね。Hanakoでこう言っています↓↓
震災の約1年後に初めて現地に行ったら見渡す限り瓦礫の山で道すらわからなくて。1年たってもこの状況なら、地震直後は想像を絶する状態だったんだろうな、と衝撃を受けました。そのころから、僕自身の防災意識も高まっていったと思います。
(マガジンハウス『Hanako』2021年4月号より)
この頃の体験が建築アイドル伊野尾慧の原点なのかもしれませんね。
しかし2012年5月…
大学で「逃げ地図」の研究をしていた伊野尾くんは、一方で、Hey!Say!JUMPとしてアジアツアー中でした。
・5月3日〜9日→横浜アリーナ(横アリ史上初の7日連続10公演のコンサートを開催)
・5月26日〜27日→香港公演(カイテックスターホール)
このスケジュールの合間に陸前高田へ行っているんですよ。もうホントに怒涛の忙しさだったに違いありません。
コンサートでキラキラの笑顔で歌い踊り、災害現場に赴き現地の方々から話を聴く。ホントにすごい人だと思います。
しかし、災害現場の人々の苦労を知っている伊野尾くんは、自分のスケジュールを少しも大変だと思わなかったのでしょうね。(もしかしたら、こうやって”すごい人だ”と書かれることも不本意なのかもしれません)
2017年3月9日放送のめざましテレビ
私が初めて伊野尾くんの防災への思いを知ったのは、2017年3月9日放送のめざましテレビです。
東日本大震災の日に誕生して、6歳になった子ども達を訪ねて取材する企画でした。
伊野尾くん自身のナレーションが優しくて、番組を見ながら涙が止まらなかったのを思い出します。
伊野尾くんはコーナーの最後に
子ども達に震災を伝えることももちろん大事だと思うけれど、震災の爪痕を感じさせない街並みを見せて、元気いっぱい育って欲しいと思った。
と語っています。建築を学んだ伊野尾くんらしい言葉だと思いました。今回『ゼロからイチへ』を見て震災の直前に生まれた熊谷さんの娘さんたちが、屈託なく子どもらしく育っているのを見ると嬉しくなります。
そして、伊野尾くんは今年もめざましテレビ3月11日(木)の放送で陸前高田市の避難や防災の今を伝えてくれるそうです。伊野尾くんにとって、避難や防災はライフワークですよね。心して見せていただきます。
まとめ
『ゼロからイチへ 東日本大震災から10年』は心に響く番組でした。
震災から10年、現地で立ち上がる人々の強さはキラキラと輝き、一方で未だに残る傷も見え隠れしています。震災や津波を知らない子ども達にあの日のことをどう伝えるのか、悩み考える大人達。そして番組では若い人たちの活躍も輝いていました。
喉元をすぎれば忘れてしまいがちな防災ですが、私は番組を観て10年前の恐怖を思い出しました。いつでも備えておかなければいけませんね。
また、防災だけでなく、復興支援への気持ちも忘れてはいけないと感じました。
災害が起こればすぐに支援プロジェクトを立ち上げるジャニーズ事務所や、何度も現地を訪れてたくさんのことを伝えてくれる伊野尾くん。ファンとして、人として、見習わなければなりませんね。
そして、今回私に番組を見せてくれた友人に感謝です。ありがとうございました!