山田涼介 中島裕翔奇跡のライバル①【JUMPコンビ図鑑やまゆと】

Hey!Say!JUMPの中で、最もドラマチックなコンビはやまゆとではないだろうか?

ふたりの関係は、JUMPの歴史の中で激しく変化してきた。現在のように笑顔でお互いを最高のライバルだといい合えるまでには、多くの時間が費やされたのだ。

今回はそんなふたり、山田涼介と中島裕翔の関係を深掘りしてみよう。

やまゆとのJr.時代

数あるHey!Say!JUMPのコンビの中で、ある時期に最も不仲だったのはやまゆとだ。

そこから現在のように互いを最高のライバルだと認め合うまでには、たくさんの葛藤があった。

まずは山田涼介と中島裕翔のJr.時代を追ってみよう。

Jr.のエリート中島裕翔

中島裕翔は、2004年3月にジャニーズ事務所に入所。

入所直後にユニットJ.J.Expressのセンターに選抜された。

J.J.Expressとは

J.J.Expressは、2004年から2007年まで活動したジャニーズJr.のユニット。メンバーは流動的で、現在のHey!Say!JUMPメンバー(伊野尾、中島、有岡、髙木)のほか、Snow Manの深澤辰也、A.B.C-Zの橋本良亮、Kis-My-Ft2の玉森裕太、そして現在俳優として活躍中の浅香航大などにも所属経験がある。

詳しくはこちらの記事で…↓

当時10歳。このころのゆーてぃは常にセンターにいた。

裕翔
裕翔

いきなり良いポジションに立たせてもらうことも多くて、撮影とかで “じゃあ並んで” って言われると “ここだろうな” って、自分から真ん中に立ったりしてましたね。今思えば、ヤなヤツですね。

『Myojo』2014年4月号「中島裕翔10000字ロングインタビュー」より

テレビドラマにも立て続けに出演。
フジテレビ系『エンジン』(2005年)では木村拓哉さん、日本テレビ系『野ブタをプロデュース』(2005年)では、亀梨和也さん、山下智久さんと共演した。

ひるねこ
ひるねこ

まさにJr.のエリート!

ジャニーズ期待の星だったのね。

下積み時代の山田涼介

山田涼介は、2004年8月に当時やぶひかが活躍していたバラエティ番組『Ya-Ya-yah』のオーディションに合格して入所。同期にSnow Manのふっか(深澤辰也)とあべちゃん(阿部亮平)がいる。

山ちゃんは、入所後すぐに活躍できたわけではなくて、2年間ほど下積みの時期がある。

立ち位置がうしろ過ぎて、レッスン場の鏡に映らない山ちゃんのために、ご家族が自宅に大きな鏡を買ってくれたそうだ。

ひるねこ
ひるねこ

山ちゃんは自宅の鏡の前で、

毎日3時間、ダンスの練習をしていたんですって。

裕翔くんに追いつきたい

同じ学年で少し先輩のゆーてぃは、当時の山ちゃんにとってまぶしい存在だったにちがいない。

山ちゃんは、そのころのゆーてぃをこう振り返っている。

山田
山田

カリスマっていうか、Jr.の中で “裕翔は誰も越えられない” って空気があって。

でも、俺だけは超えてやろうって思ってたんだよね。密かに笑。

『Myojo』2014年4月号「中島裕翔10000字ロングインタビュー」より

少年時代の山ちゃんは、ゆーてぃのうしろ姿を必死で追っていたのだ。やがて、山ちゃんの努力は実を結ぶ。

山田涼介の快進撃

タッキー&翼のコンサートに、ゆーてぃの代役として出演したのが、山ちゃんの快進撃の始まりだ。

山田
山田

裕翔の代役だけど、センターに立つわけじゃなくて、同期のいちばん端。

悔しさもあったけど、絶対にチャンスだって。

『Myojo』2014年4月号「中島裕翔10000字ロングインタビュー」より

山ちゃんは、与えられたチャンスを活かそうと必死だった。
本番の2日前に代役を伝えられた彼は、24曲分の振り付けを完璧に覚えたのだ。

その時の頑張りを、先輩方はちゃんと見ていてくれた。

山田
山田

滝沢演舞城で出番を待っているときなんですけど、
突然、大倉(忠義)くんに
“キミ、山田くんやろ。踊りうまいなあ”って声をかけてもらって、
“えっ?!こんな下っ端の、しかも隅っこで踊っている俺の名前を覚えててくれてるの?”って、すごくうれしかった。

『Myojo』2014年4月号「中島裕翔10000字ロングインタビュー」より

2006年の舞台『One!』で、再びゆーてぃの代役を任されたときは、滝沢秀明さんから直々に「山田涼介で…」と指名されたという。

さらにその年、ドラマ「探偵学園Q」の天草流役に起用された。そして、あれよあれよというまに…山ちゃんはゆーてぃの隣に立っていたのだ。

ひるねこ
ひるねこ

山ちゃんの努力が、多くの人に認められたのね!

Jr.時代のやまゆとの関係

時間を少し戻して、
再び山ちゃんの入所のころ…。

裕翔くんは、後輩ができたのがうれしくて、さっそく山ちゃんに声をかけた。たくさんいたオーディション生の中でも、やはり山ちゃんは違って見えたとか。

帰り道が一緒だったこともあり、ふたりはすぐに仲良くなった。

レッスンの帰り道

当時小学5〜6年生。レッスンの帰りの電車で、やまゆとは疲れて肩を持たれ合いながら眠ってしまうことがよくあったそうだ。肩を寄せ合って眠るふたりは、きっと小犬みたいにかわいかったに違いない。

ひるねこ
ひるねこ

でも、待って!!

ゆーてぃは仲良しのつもりでも、涼介少年の心の中には、熱い気持ちがフツフツと煮えたぎっていた。

ヤマダくん
ヤマダくん

絶対に
裕翔を超えてみせる!

当時のやまゆとは、見た目ほど心が通じ合っていたわけではなかった。

おそらく、「Jr.のカリスマ」だったゆーてぃの何気ない言動が、山ちゃんを落ち込ませたり、悔しがらせたりしていたにちがいない。

ひるねこ
ひるねこ

ふたりとも、まだ小学生だものね…

「もうやめたい」という山ちゃんに…

Jr.時代のやまゆとには、こんなエピソードがある。

入所して1年ほどたったある日、山ちゃんが「Jr.をやめたい」と言い出した。

ヤマダくん
ヤマダくん

もうJr.をやめようかな…

山ちゃんは、ホームで電車を待つ間も、電車の中でも、ずっと「もうやめたい」と言っていたという。ゆーてぃにつらい気持ちを共感してもらいたかったのかもしれない。

しかし、入所以来スポットライトを浴び続けてきたゆーてぃ。挫折を知らない彼には、山ちゃんの気持ちが全くわからない。

ユウトくん
ユウトくん

なんで?
山田は踊りうまいってみんな言ってるよ。
なんでそんなこと言うの?

裕翔くんは後のインタビューで、このときの自分を苦々しく振り返っている。

裕翔
裕翔

鈍感だったな。

みんな少しでもいいポジションに立ちたいって努力しているけど

なかなか報われないから悩むわけで。

なのに、なんでやめたいと思うのか、なんで僕に相談してくるのかさえ、わからなくて。

今、思い出しても胸が痛いです。なんでもっと真剣に話を聞いてあげなかったんだろう。

“大丈夫だよ。一緒に頑張ろう!”って背中を押してあげなかったんだろうって。

『Myojo』2014年4月号「中島裕翔10000字ロングインタビュー」より

おそらくゆーてぃは、山ちゃんの実力を当時から無意識に感じ取っていたのではないだろうか。

「いつか自分のとなりにくる。もしかしたら自分より前に立つようになるヤツかもしれない」って。

幼いふたりの心には、すでに熱いライバル心が芽生えていたのだ。

デビュー直後のセンター交代劇

ふたりの入所から3年。2007年の秋にHey!Say!JUMPが華やかにデビューする。

ひるねこ
ひるねこ

デビューによって、
やまゆとの関係性に変化はあったのでしょうか?

デビューしたとき、Hey!Say!JUMPのセンターはゆーてぃだった。しかし、2ndシングル『Dreams come true』からセンターの交代劇がはじまる。

Hey!Say!JUMPのセンター交代劇
  • 2007年
    11月14日
    デビュー曲『Ultra Music Power』

    ・センターは中島裕翔

  • 2008年
    5月21日
    2ndシングル『Dreams come true』

    ・PV撮影中に振付師に「山田と中島の立ち位置を代わって」と言われる

  • 2008年
    7月23日
    3rdシングル『Your seed/冒険ライダー

    ・『Your seed』は山田涼介とドラマ『ごくせん』でブレイクした髙木雄也のダブルセンター

  • 2008年
    10月22日
    4thシングル『真夜中のシャドーボーイ』

    ・センターは山田涼介

デビューから1年もたたないうちに、Hey!Say!JUMPのセンターが入れ替わったのだ。

センター交代後の中島裕翔

ひるねこ
ひるねこ

ゆーてぃにとって、センターの交代は生まれて初めての挫折だったのね…

堀越高校に進学後、ゆーてぃと山ちゃん、そして知念くんは、クラスメイトになった。

デビュー後に仕事が忙しくなった山ちゃんや知念くんとは逆に、ゆーてぃの仕事はどんどん減っていった。ひと月の仕事が、「取材が1件だけ」だったこともあったそうだ。

心の中にはひがみや嫉妬が渦巻いていており、落ち込んで自室でふさぎ込んでいたこともあったというが、ゆーてぃは、自分の気持ちを誰にも話さなかった。

メンバーの前でも家族の前でも平気な顔で振る舞っていたのだ。

センター交代の本当の理由

センター交代の理由は「中島裕翔の身長が高くなりすぎから」だと言われているが、おそらくそれだけではないだろう。

挫折を知らないエリートだったゆーてぃは、周りが見えなくなっていたのではないか。グループを引っ張ることばかり考えて、メンバーを気遣う心が欠けてしまっていたのかもしれない。

「このまま裕翔がセンターでは、グループの雰囲気が悪くなる」

周りの大人は、そう考えたにちがいない。

中島裕翔の気持ち

ゆーてぃは当時をこう振り返っている。

裕翔
裕翔

(センター交代は)今となれば、当然の結果だったんだなって思いますね。あれがあってこそって、今は思えます。

『Myojo』2017年11月号「中島裕翔10000字ロングインタビュー」より

しかし当時は多感な思春期。山ちゃんに対して複雑な感情を抱いていた。

裕翔
裕翔

やっぱ 、“なんでだよ” って思ったし、キライって感情とは少しちがうけど、彼のひとつひとつの言動が鼻についてしまうっていうか。

だから当時、仕事で必要なとき以外はいっさい話していなかったと思う。

『Myojo』2017年11月号「中島裕翔10000字ロングインタビュー」より

山田涼介の気持ち

山ちゃんは入所以来ずっと、「中島裕翔を超えること」を目標に努力してきた。

とうとう目標を達成してセンターの座を手に入れたものの、裕翔くんの落ち込みがすごかった。

ひるねこ
ひるねこ

裕翔くん本人は平気な顔をつらぬいたつもりでしたが、

当時の映像を見ると、感情が素直に表情にでていますよね。

山ちゃんは、そんな裕翔くんを見て「取られたセンターは努力して取り返せばいいじゃん!」と思っていたにちがいない。なぜなら、山ちゃんはそうやって手に入れたのだから。

しかしゆーてぃは、悩んで、落ち込んで、ひがんで、いじけて…。

そんなゆーてぃを見て、山ちゃんはこう思った。

山田
山田

どっちかって言ったらキライだった。

だってムカつくんだもん。何言っても真(ま)に受けて落ち込んで。

センターかわったタイミングでもあって、ものすごい悩んでる時期だったと思うんです。

でも俺は “悩む時間があんなら前向け!ってタイプだから。

『Myojo』2018年2月号「山田涼介10000字ロングインタビュー」より

しかし、当事者の山ちゃんは、その気持ちを素直にゆーてぃにぶつけることができなかった。

山田
山田

でも、俺はそれは言えないよ。俺だけは。
あのころの裕翔は、寄り添わせてくれなくて、なんかもどかしかったな。

『Myojo』2018年2月号「山田涼介10000字ロングインタビュー」より

氷河期に突入

こうして、やまゆとの氷河期が始まった。

お互いに、言いたいことが言えない関係はつらかったはず。ふたりとも、よく笑顔でアイドルを続けてくれたと思う。

やまゆとの氷河期が解消したのは、2013年12月、知念くんの誕生会を兼ねた7会だという。なんと5〜6年もの間、葛藤が続いていたのだ。

しかしこの氷河期は、Hey!Say!JUMPにとって大切な期間だったと考えられる。

山ちゃんは、JUMPのセンターとしてがむしゃらに仕事をした。

一方ゆーてぃは、ドラムに演技にモデルやカメラ…悩みながらたくさんの武器を手に入れた。そしてなにより、ステキな大人になった!

あのままセンターが裕翔くんだったら、Hey!Say!JUMPは今のような魅力的なグループになっただろうか?

そう思うと、長い氷河期はやまゆとにとっても、JUMPにとっても大切な時間だったんだと思うのだ。

ひるねこ
ひるねこ

やまゆとの関係は、見ていてヒリヒリしますね…

次回は、つらい氷河期時代から雪解けまでをじっくり見ていきます↓

『Hey! Say! JUMP 2007-2017 I/O』
Hey! Say! JUMPのデビュー10周年を記念してリリースされた23曲のシングル曲が収録されたベストアルバム。初回限定盤1には、デビュー曲『Ultra Music Power』から2017年2月に発売された『OVER THE TOP』まで、すべてのシングル曲のPVが収録されている。センター交代劇をはじめ、JUMPの10年間の歴史が網羅されたお宝盤!

タイトルとURLをコピーしました