その9 Hey!Say!JUMPデビュー前夜のYa-Ya-yah/薮宏太の決断

Hey!Say!JUMPの歴史をたどる旅・・・
最後のメンバーとなる岡本圭人も入所して、いよいよデビューが間近だ。

デビュー直前のJUMPはどんな様子だったのだろう?デビュー前夜のYa-Ya-yahを追ってみよう。

デビュー直前のやぶひか

2007年に突然、期間限定のユニットHey!Say!7のCDデビューが発表された。

ひるねこ
ひるねこ

Hey!Say!7、CDデビューのいきさつはこちら↓

そのころのYa-Ya-yah

2004年以降4人体制になったYa-Ya-yahは、一見安定した人気を保ち活躍を続けているように見えた。

だが、時は止まらない。
2007年夏、山下翔央→18歳、薮宏太→17歳、八乙女光、鮎川太陽→16歳
かつての少年たちは、高校生になっていた。

この頃、変声期を迎えた薮くんは、

コウタくん
コウタくん

あれ?この高音、前より出しづらくなった。やべーぞ…
声変わりしたらどうなるんだろう?

などと、いつも不安に思っていたらしい。
彼の歌は相変わらず素晴らしかったけれど、変声期を経て少年時代の天使ような声は失われていた。

また、メンバーの身長もグングン伸びていた。太陽くんはバラエティ番組で、冗談めかしてではあるが、先輩に「身長を伸びなくするにはどうしたらいいですか?」と相談している。

番組では山田や知念、龍太郎など小さくてかわいい子が前にでるようになり、大ちゃんや雄也などフレッシュなメンバーに大きな声援が飛ぶようになっていた。

いつでもダントツで一番のグループだったYa-Ya-yahの立ち位置が微妙に変わってきたのだ。

Hey!Say!7デビューの衝撃

そんな中でのHey!Say!7のデビューである。

Ya-Ya-yahのメンバーは衝撃を受けたはずだ。ジュニア歴が長い4人は後輩に先を越されて、自分たちはいつデビューできるのかと不安になったことだろう。

薮くんも光くんも「デビューをするならYa-Ya-yahで…」と考えていた。

しかし光くんは周りの状況を見て

ヒカルくん
ヒカルくん

ジュニアのグループがそのままデビューすることは、難しいのかもしれない

と覚悟していたらしい。

それでもYa-Ya-yahの4人はこの時期によく「これからもこの4人で頑張って行こう!」と話していた。

薮宏太、リストを見せられる!

この頃…薮宏太はジャニーさんから、あるリストを見せられる。

ひるねこ
ひるねこ

はいここで…
久しぶりにタイムスリップ~!

↓↓↓↓

2007年夏、薮宏太

薮宏太は焦っていた。

ジャニーズ事務所に入ってからずっとジュニアの中では常に先頭を走っている自負があった。しかし昨年、期間限定のユニットKittyGYMにYa-Ya-yahから選ばれたのは光だった。

少し前から変声期に入り高い声が出しにくくなった。スタッフさんに「キーを下げようか?」と言われても「大丈夫です」と無理に歌う。

急に伸びた身長に体重が追いつけず、頬がこけて痩せて見える。そのせいか、よく「大人っぽくなった」とよく言われるようになった。

まだ頬がふっくらしたかわいい後輩たちがHey!Say!7としてデビューすると聞いた時は「もう潮時かもしれない」と事務所を辞めることも考えた。それを何とか思い止まったのはYa-Ya-yahの仲間がいたからだ。

八乙女光

八乙女光は先輩たちがデビューしていくのを見て「ジュニアのグループのままデビューすることは難しいのかもしれない」と漠然と思っている。

が…それでもやはり
「デビューするなら絶対にYa-Ya-yahで!」とも考えていた。

この夏、J.J.Expressから選抜されたHey!Say!7がデビューした。
(あ、いのちゃん選ばれなかったんだ…
と昨年の夏、KittyGYMとして一緒に活動した友だちのことを考える。
きっと悔しかったよなぁ…

そして最近、薮が悩んでいるのにも気づいていた。ひとつ年上の薮は高3である。進路を決める時期になって
(事務所を辞めようとしているのかなぁ?)
そんな気配を感じることもあった。

また、収録で会う翔央も太陽も、元気そうに振る舞っているが、どことなくギクシャクしている。

ずっと4人で!

そんなある日の番組収録後、八乙女光はメンバーをカラオケに誘い、何曲か歌って盛り上がってきたところで、元気いっぱいに言ってみた。

ヒカルくん
ヒカルくん

ずーっと4人でやっていこうぜぃ~!

隣に居た薮が肩を組んで叫んだ。

コウタくん
コウタくん

おぅー!!4人で頑張っていこうなっ!

すぐに翔央も太陽も肩を組んで…

「おーっ!」「もちろん!」

それから何曲もYa-Ya-yahの歌をうたった。

コウタくん
コウタくん

やべっ
こんな高い声でないよ~笑

ヒカルくん
ヒカルくん

キーを下げちゃえよ笑笑

久しぶりにとても楽しくて、4人ともとても幸せだった。

運命のリスト

次の日、薮はジャニーさんからJr.のリストを見せられた。ジャニーさんは薮の目をじっと見て聞いた。

ジャニーさん
ジャニーさん

薮、ちょっとこれ見て!
このメンバーどう思う?

すぐに新しくデビューするグループのメンバーを決めているのがわかった。

リストのいちばん上に「薮宏太」と「八乙女光」の文字が見えた。その下にHey!Say!7のメンバーの名前が並び、次に「森本龍太郎」「岡本圭人」、そして一番最後に「伊野尾慧」の名前があった。

コウタくん
コウタくん

今、おれが発する言葉で、こいつらの運命が変わってしまうかもしれない。
軽はずみなことは言えない…。

頭の中で警報が鳴った。

リストに翔央と太陽の名前はなかった。昨日笑いあった仲間の笑顔が浮かんだ。

コウタくん
コウタくん

俺と光はYa-Ya-yahでやりたい」って言うべきなのか?
…でも今…このチャンスを逃したら次は何年先になるかわからない
いや…もう二度とチャンスは来ないかも

ジャニーさんは優しいけれど厳しい人である。

そのとき、なぜか薮の頭にオーディションで必死な顔で手を挙げて、下手くそなくせに一生懸命『フラワー』を歌う小さかった伊野尾慧の姿が浮かんだ。

コウタくん
コウタくん

歌い終わったあと、真っ赤な顔をしてこっちを見ていたっけ…

あれからずっとデビューしたくて…あいつは必死で頑張ってきたんだよな。

あいつもやっとデビューできるのか

その時、薮の頭の中で何かがパチンと弾けた。

コウタくん
コウタくん

俺もそうだった。
ずっとデビューしたくて、デビューを目指して頑張ってきたんだった!

俺は恵まれすぎて…そんなことも忘れていたんだな…。

答えは決まった。薮はジャニーさんの目をまっすぐに見つめて答えた。

コウタくん
コウタくん

うん!

いいんじゃないですか。

ジャニーさんはうれしそうにうなずいて

ジャニーさん
ジャニーさん

このグループはね、薮と光にまとめてほしいの。

今までとは違うよ。

そう言いながら、ニッコリ笑って薮の肩をたたいた。

↑↑↑↑

ひるねこ
ひるねこ

はい、タイムスリップ終了。

今回も脚色と妄想がてんこ盛りですな笑

薮宏太の決断

Jr.の目標はたったひとつ!デビューすること。

デビューを目指して毎日頑張っているのである。
だから、どんなことがあってもデビューのチャンスを逃してはいけない。

つらい決断をした薮くんは、「デビューできなかったたくさんのジュニアの気持ちはチャンスをもらった者が背負わなければならない」と語っている。その通りだと思う。

小さかった薮宏太は、素敵な大人に成長した。

誰かがデビューするってことは、その何十倍の人間が落ち込んでるんですよね。めっちゃデビューしたいって思うコは何百人、何千人いると思うから。だから選ばれたんだったらその人たちの悔しさも背負わなきゃダメだって。Hey! Say! JUMPっていうグループになったんだったら、ふたりには申し訳ないし、僕自身もつらかった。それでも、やるからには、みんなの分までやんなきゃって思いましたね。

(『Myojo』2013年12月号「薮宏太10000字ロングインタビュー」より)
ひるねこ
ひるねこ

ジャニーさんからデビューの話を聞いたとき、ほかのメンバーはどう思ったのかな?
次回はこちら↓

タイトルとURLをコピーしました