山田涼介と伊野尾慧。
一時期は不仲がささやかれたふたりだが、本当のところはどうなのだろう?
情熱的な山ちゃんとテキトーと呼ばれる伊野尾くん…
一見、真逆に見えるふたりの視線の先は、結局は同じなのではないのだろうか?
いのやまについて考えてみた。
いのやま不仲説は本当?
2016年前後に、JUMPファンの間でまことしやかにささやかれた、いのやまの不仲説。
ふたりを不仲だという根拠は、2016年10月2日に放送されたスペシャル番組「DASHでイッテQ!行列のできるしゃべくり 日テレ系人気番組No.1決定戦」(日本テレビ系)にあるのではないか。以下で再現してみよう。(※再現はニュアンスです)
全国放送の特番で、Hey!Say!JUMPの仲のよさをアピールする山ちゃん。
Hey!Say!JUMPはすごく仲がいい。
メンバーの伊野尾も、この前うちに遊びに来たんです。
しかし伊野尾くんは、真顔でこう言い放ったのだ。
正直、仲がいいと思ったことは一度もない。
山田の家に行ったのは、その一回きりです。
思わず立ち上がる山ちゃん。
それはひどい!
クロゼットの服をあげたじゃない!
しかし伊野尾くんは、その服を一度も着ておらず、その後、知念くんの家に置いていったらしい。
押しつけがましいんですよ。
ちょっと待ってよ!
クロゼットをあけて、欲しそうにしてたじゃない!
その服、着るのが恥ずかしいようなすごいヒョウ柄で、
くれるって言われても…
ホントは、いらなかったんですよね。
このトークに、スタジオは大爆笑。大いに盛り上がった。
もちろんこれは、番組を盛り上げるための、ふたりの「不仲芸」だ。ネットニュースにも取り上げられて話題になり、このトークは大成功したといえる。
だが、伊野尾くんの「一度も仲がいいと思ったことがない」という言葉が独り歩きをして、いのやまの「不仲説」が定着してしまったのだ。
真逆な性格のいのやま
とはいえ、性格が全く違ういのやまは、かつて「お互いを理解しあぐねていた」ふしがある。
2014年のインタビューで「“これからもっと結果を残さなければいけないな”という焦りはないか」と尋ねられた伊野尾くんは、こう答えた。
どうだろうな?
う〜ん、焦りとか全然ねえなあ。
やばいかな、これ!?
『Myojo』2014年3月号「伊野尾慧10000字ロングインタビュー」より
さらに「それは自信があるということ?」と聞かれて、こう言い切ったのだ。
うーん、この状況を、自分を、今を、心から楽しんでるって感じかな。
『Myojo』2014年3月号「伊野尾慧10000字ロングインタビュー」より
そんな伊野尾くんについて、山ちゃんは次のように述べている。
たしかに、歌や踊りを何でもっと磨かないのって思ったときはありましたね。
グループのこと、もっと興味を持てばいいのにって。
『Myojo』2018年2月号「山田涼介10000字ロングインタビュー」より
ふたりの性格は真逆といっていいのではないだろうか。
目の前のことにがむしゃらに取り組む山ちゃんにとって、伊野尾くんのふんわりとしたスタンスが、もどかしく見えたにちがいない。
山田涼介は体育会系
ジャニーズ事務所に入る前、山ちゃんはサッカー少年だった。Jr.ユースのセレクションに合格するほどの腕前だったという。
チームメイトと4人でセレクションを受けに行ったんです。明らかに俺がいちばんヘタなのに、なぜか俺だけ受かっちゃって。
『Myojo』2014年8月号「山田涼介10000字ロングインタビュー」より
それからは、ねたまれ、いじめられることもあったそうだ。
まあ何かされたら、やり返してましたけどね(笑)
『Myojo』2014年8月号「山田涼介10000字ロングインタビュー」より
負けず嫌いで、向上心が強く努力を惜しまない性格は、このころに育まれたのかもしれない。
山ちゃんは、入所してすぐに注目されたゆーてぃや知念くんとは違う。「誰かにできたことなら自分にもできるはず」と、歌やダンスを頑張り、上をめざして努力し続けた。最初は後ろ姿しかみえなかったゆーてぃに追いつき、とうとうHey!Say!JUMPのセンターを勝ち取ったのだ。
目標をまっすぐに見据えてがむしゃらに努力する山ちゃんは、「体育会の脳」を持つ人だといえるのではないか。
伊野尾慧は理系
伊野尾くんは、「運動はあまり得意ではなかった」という。幼稚園の運動会の徒競走では、走らずに周囲にニコニコと手を振りながら歩いたというエピソードをもつ。幼いころから競争心はなく、マイペースな性格だったようだ。
ジャニーズ事務所には、おいしいものを食べたくて入った。
“あ、ジャニーズ入ったらおいしいもん食えるんだ!”って思ったのがきっかけで。
そっから、“お母さん、ジャニーズに入る!”って言い始めたらしい
『Myojo』2014年3月号「伊野尾慧10000字ロングインタビュー」より
同期の薮くんや、少し後に入所した光くんがすぐに脚光を浴びる中で、伊野尾くんは注目されるまでに時間がかかった。しかし伊野尾くんは、山ちゃんのように闘争心をむき出しに、がむしゃらに努力して歌やダンスを磨くことをしなかった。
伊野尾くんが選択したのは、勉強すること。アイドルとして生き残るために、自分にしかない武器を身につけようと、勉強して大学に入りHey!Say!JUMPとしての活動を続けながらきっちり四年で卒業したのだ。
運動が得意ではない伊野尾くんは、自分が輝く方法を別の視点から合理的に導きだしたのだろう。
伊野尾くんはけして体育会脳ではなく理系脳。建築を学んだ彼は「技術者脳」といえそうだ。
現在のいのやま
性格も考え方もまったく違ういのやま。学年も3つ違う。ふつうなら、交わることはなかったのかもしれない。しかし、ふたりはアイドルを目指しHey!Say!JUMPとしてデビューして、16年のうちにお互いを理解して受け入れた。
不仲説の発端になった、伊野尾くんが山ちゃんの家を訪れたときのことを、山ちゃんはこう語っている。
『DEAR.』ってライブを作るとき、セットをどう組むか悩んで、建築にくわしいんでアドバイスが欲しくて 伊野尾ちゃんを家に呼んだんです。
そしたら、すごい 的確なアドバイスをしてくれて。
(中略)
あれだけ即答できるって、日ごろから、すげーグループのこと、メンバーのことを見てるし、考えてんだなって。
『Myojo』2018年2月号「山田涼介10000字ロングインタビュー」より
一方伊野尾くんは、同時期のインタビューで山ちゃんについてこう述べた。
山田はやっぱり昔から変わらないよね。いろんなことに気づく人だなって思います。
気づいてしまうからこそ、背負ったものがいろいろあったんだろうなって。
デビュー当時、ひとりだけ露出が飛び抜けてて、
“自分が、自分だけが”ってなってしまってもおかしくない環境だったのに、
誰よりもグループのことをよく見てた。
『Myojo』2017年9月号「伊野尾慧10000字ロングインタビュー」より
同じインタビューの中で、メンバーとの関係性を「幼なじみみたいで、家族のようでもあり、仲間であり、ライバルでもある」と語った伊野尾くん。
だから、メンバーのことを想う気持ちって、家族への想いとも、友だちへの想いともちがって。
それこそ、今まで感じたことのない感情や感覚、ふつうだったら感じない 感情を抱かせてくれる関係性の人たち。
そんなメンバーと出会えたこと自体が奇跡であり、かけがえのない財産だと思う。
『Myojo』2017年9月号「伊野尾慧10000字ロングインタビュー」より
2024年1月13日の深夜、伊野尾くんが髙木さんと行っていたインスタライブに、ほろ酔いの山ちゃんが乱入した出来事は象徴的だ。あんなに楽しそうで安心しきった山ちゃんの表情を、多くのファンははじめて見たのではないだろうか。
この日のコンサートに参戦していた私は、このインライを博多のホテルで見ました。いのたかやまと打ち上げをしているようで、すごく楽しかったな。
翌朝の山ちゃんの二日酔いインライを、JUMP担で混み合ったエレベーターホールでそっと流している人がいて、そこにいたみんなで一緒に聴きながら、幸せをかみしめました。
いのやまが不仲なはずがない。Hey!Say!JUMPの仲の良さは本物なのだ!
やまゆとのドラマティックな関係とは!?