その2 薮宏太、伊野尾慧のオーディション〜運命の出会いに乾杯!

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Ya-Ya-yahというグループで歌う、小さな薮くんの天使のような歌声に魅せられて、ジュニア時代のJUMPたちを知りたくなった私は、Hey!Say!JUMPの過去を探る旅に出たのだった。

今回は薮くんと伊野尾くんがはじめて出会った、ふたりのオーディションの様子を見に行こう。

薮宏太、伊野尾慧のオーデション

Hey!Say!Jumpの歴史は、薮宏くんと伊野尾くんの出会いからはじまる。

2001年の同じ日にオーデションを受けたやぶいのは、同じ日にジャニーズ事務所に入所するのだ。

さっそく彼らの過去にタイムスリップしてみよう!

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泣いている男の子

慧くんは、小さいころからジャニーズ事務所に入りたいと思っている。
ジャニーズのアイドルになって、テレビに出て、美味しいものをたくさん食べている人になりたいのだ。

今日は、その夢をかなえるための第一歩!
ジャニーズ事務所のオーディションを受ける日である。

小学5年生の慧くんは、お母さんに連れられて大きな会場にやって来た。胸のワクワクが止らない。

はしゃぎながら、

ケイくん
ケイくん

お母さん!ぼく、頑張るからねっ!

絶対に合格して、ジャニーズ事務所にはいるんだ!

と、手をブンブン振りながら歩いていると、自分と同じようにお母さんに連れられた男の子を見つけた。

ケイくん
ケイくん

あの子もオーディションを受けるのかな?

お母さんはにっこり笑って言った。

お母さん
お母さん

きっとそうね。慧ちゃんと同じ年くらいかしら?一緒に合格できるといいわね。

ケイくん
ケイくん

うん!ぼく、あの子と一緒にいく!

慧くんは、お母さんの手を引っ張って、その子が乗ろうとしていたエレベーターに一緒に乗り込んだ。

にっこり笑ってその子に話かけようとした慧くん。しかし、その子の目に涙がいっぱいたまっているのを見つけて、言葉を飲み込み、そっと隣に立ったのだった。

オーディション

オーディション会場では、おじいさんが皆を見まわして

おじいさん
おじいさん

何か得意なことをやって見せてください。

と言った。

慧くんは胸がドキンとした。

ケイくん
ケイくん

何かやらなきゃ。絶対に合格したいんだ!

そして夢中で手を挙げて、

ケイくん
ケイくん

ぼく、歌います。

えっと…KinKi Kidsの『フラワー』を歌います!

歌いながらチラリとさっきの子の方を見ると、あの子はすっかり元気になって、笑顔で慧くんを見つめていた。

ケイくん
ケイくん

あ、笑ってる。よかった

慧くんは、なんだかうれしくなって、笑っているあの子の顔みながら元気いっぱいに歌いきった。

すごいダンス!

何人かが得意なことを披露したあと、さっきのおじいさんがまた言った。

おじいさん
おじいさん

音楽をかけるから、踊ってみせて。

音楽が流れて、何人かの子が踊りだす。
慧くんはまたドキンとした。踊ったことなんてなかったから…。

するとあの子が踊り始めた。
あの子のダンスは…
あぁ、なんて素晴らしい!軽やかでカッコよくて、とてもきれいで…!

みんながあの子を見ている。
慧くんも目が離せずに、心臓をさらにドキドキさせながら、じっと見つめていた。

ケイくん
ケイくん

ぼくもあんな風に踊れたらいいのにな…。

するとあの子が踊りながら、慧くんを見つめてにっこりと笑った。

コウタくん
コウタくん

きみも一緒に踊ろうよ!

そう言っているみたいだった。

慧くんも立ち上がって、一生懸命踊ってみたけれど、全然同じようにはできない。少しだけ悲しくなりながら、それでも夢中であの子のまねをして踊り続けた。

天使の歌声

おじいさん
おじいさん

ユー!歌を聴かせて!

ダンスの後で、おじいさんがあの子に言った。あの子はうなずいて、歌い始めた。

歌がはじまると、会場の誰もが息を飲む。
美しいボーイソプラノの伸びやかな高音、乱れのない音程。そして何よりも、歌っているあの子の表情は喜びに満ちていて、まるで天使のようだった。

ケイくん
ケイくん

すごいなぁ…。
あの子はきっと、合格するんだろうな。

あの子の歌をうっとり聴きながら、慧くんは、また、少しだけ悲しくなった。

慧くんの誓い

そして慧くんが思ったとおり、オーディションが終わるとおじいさんはあの子のそばに行って話しかけていた。

ケイくん
ケイくん

きっとぼくはダメだったんだな。

お母さん、せっかく履歴書を送ってくれたのに、ごめんなさい。

慧くんがお母さんを探して周りを見回すと…
おじいさんが、こちらに向かってニコニコと歩いてくるではないか!

おじいさん
おじいさん

ユー!とってもよかったよ。いつから練習に来られる?

おじいさんの向こうで、あの子が慧くんを見ながらニコニコ笑っていた。慧くんはもう、嬉しくて、嬉しくて!

ケイくん
ケイくん

歌もダンスも頑張る!あの子と同じになれるまで、頑張る!

そう、心に誓ったのであった。

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はい、タイムスリップ終了。

これがHey!Say!JUMPのはじまり、薮宏太と伊野尾慧の出会いである。
ふたりとも、この日の出来事を折にふれて語っている。

薮宏太の証言

サッカー少年だった薮くんは、姉が履歴書を送っていたことを知らず、オーディションの朝に
「サッカーの練習を休みたくない!オーディションなんて行かない!」
と駄々をこねたそうだ。

コウタくん
コウタくん

プロのサッカー選手になる!

と言う薮くんに対して、お母さんは

お母さん
お母さん

プロサッカー選手になるなんて大変なことだから、ジャニーズのオーディションを受けておきなさい。

と言ったそうだ。それに対して薮くんは、心の中で

コウタくん
コウタくん

プロサッカー選手になるのは大変かもしれないけど、ジャニーズ事務所に入ってデビューするのはもっと大変なんじゃないのかな?

と思ったらしい。さすが薮少年!冷静である。

でも私は、Hey!Say!JUMPファンとして、お母さんとお姉さんに感謝したい。
薮くんをオーディション会場に行かせてくれて、本当にありがとうございました!

雑誌で語られたこと

薮少年は、少し駄々をこねながらオーディション会場(NHK)出かけて、エレベーターで伊野尾少年と出会った。

薮くんは、そのときの伊野尾くんについて、こう述べている。

薮

育ちの良さそうな子で、ハットかキャップをオシャレに被っていた。
こけしなりにオシャレに見えた。

オシャレをしてオーディションに臨んだ伊野尾くんに対して、薮くんはサッカー少年らしくTシャツとハーフパンツだったという。
幼いころからジャニーズになりたかった伊野尾くんと、泣きながらオーディションに向かった薮くん。ふたりの気合いの差がわかりやすく出ていて面白い

薮

伊野尾は自分から手を挙げてKinKi Kidsの『フラワー』を歌ったけれど、残念ながら下手くそだった。
だけど、アヒルみたいに口をとがらせて歌っていてかわいかった。

アヒル口で『フラワー』を歌う、小さな伊野尾くん!かわいかったんだろうなぁ。

特筆すべきは、伊野尾くんが自分で手を挙げて歌ったってことだ。何事にも執着しない伊野尾くん。彼の秘めた情熱を感じられて、なんだかうれしい。

そういえば、伊野尾くんには「幼稚園の徒競走で、走らずに観客にニコニコと手を振って歩いた」というエピソードがある。天性のアイドル伊野尾慧は、絶対にジャニーズに入りたかったのだ。

ふたりの出会いに乾杯!

この日、伊野尾くんは、薮くんに出会って大きな衝撃を受けたにちがいない。圧倒的な薮くんの才能を、賢い伊野尾少年は瞬時に理解したはずだ。

この日からずっと、伊野尾少年は薮くんにあこがれて、追いつきたくて、一緒にいたくてずっと頑張ってきたのだと思う。

同じ日に入所してから15年。
ふたりの出会いに乾杯だ!

ひるねこ
ひるねこ

出会ってくれてありがとう!

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