2001年12月にYa-Ya-yahが結成されてから1年。
ジャニーズJr.の人気ユニット・Ya-Ya-yahの中心メンバーとして、多くのイベントや舞台をこなし、アイドルとして順調に活躍する薮宏太。一方で、コツコツとスキルを磨きチャンスを待つ伊野尾慧。
そしていよいよ、Hey!Say!JUMPの第三の男、八乙女光の登場だ。
Hey!Say!JUMPの歴史を探るシリーズ、4回目は、最強シンメ・やぶひか誕生の瞬間に立ち会おう。
八乙女光の入所
Hey!Say!JUMPの最強のシンメやぶひかは、どのように出会い誕生したのだろう…?
前回のお話、入所直後の薮くんの快進撃は、こちらから↓
2002年12月1日に、オーディションを受けた八乙女光。翌12月2日、12歳の誕生日に合格の連絡を受けた。光くんにとって、忘れられない誕生日になったことだろう。
ちなみに2002年ジャニーズ入所者はこちら↓
【4月】
・稲葉光(退所)
【5月】
・北山宏光(Kis-My-Ft2→退所)
【7月】
・濱田崇裕(ジャニーズWEST)
・桐山照史(ジャニーズWEST)
・林真鳥(振付師)
【12月】
・手越祐也(NEWS→退所)
・玉森裕太(現Kis-My-Ft2)
・八乙女光(現Hey!Say!JUMP)
・秋元大河(退所)
入所直後から快進撃をみせる光くん。
2002年年12月2日に入所して、翌2003年1月5日には新番組『Ya-Ya-yah』(テレビ東京系列)がスタート。光くんは、番組の初回にYa-Ya-yahメンバーの後ろに私服(?)で登場し、そのまま出演している。
入所からたった1カ月でテレビ番組に出演して、堂々とマイクを持って歌ってるんですけど…!
さすが光くん、速いっ!
入所当時の光くん
光くんが宮城から東京に引っ越したのは中学2年の時だから、この当時は、仕事やレッスンのたびに新幹線で通っていたことになる。
のちに伊野尾くんは、当時の光くんについて、次のように語っている。
光は、リュックにダンベルを入れて宮城から通っていて、ヤベーやつだと思った。
少年時代の光くんは、とにかく気合いが入った子どもだったのだろう。
物怖じしせずハキハキとした、やる気がいっぱいのかわいい子。地方出身のせいか、ちょっぴり素朴で子どもらしくて…。
そんな光くんは、その頃に大人気だった小さな薮くんの隣にぴったりだったに違いない。
やぶひかの出会い
最強のシンメとなる薮宏太と八乙女光。しかし、ふたりは出会ったときからビビッときたわけではない。お互いの第一印象は、あまり良くなかった。
ここで、タイムスリップ!
やぶひかの出会いを見てみよう♪
オーディション会場にて
2002年12月1日。光くんはお母さんと東京に来ている。夢だったアイドルになるために、宮城からジャニーズ事務所のオーディションを受けに来たのだ。
この日はテレビ番組のリハーサルもかねているそうで、会場は多くの人であふれていた。
すごい子がいる!
ざわついていた会場が、なぜか一瞬で静かになり、みんながステージを見ている。ステージには光くんと同じ年ごろの、小さな男の子が立っていた。
音楽が流れ、男の子が歌い踊る。
美しい歌声、軽やかなダンス!!
光くんはまるで金縛りにあったように、その子から目を離すことが出来なかった。他にも何人かの子がステージの上にいたけれど、光くんの目にはその子しか映らなかった。
すごい!
この子は僕よりうまいや…!
ダンスには自信があった。通っていたダンス教室では光くんが一番うまかった。歌だって、お姉ちゃんやお母さんはいつも「とっても上手ね」と褒めてくれていたんだ。
いつもは、人に負けることが大嫌いな光くんなのに、その子に負けたと思っても不思議と悔しくはなかった。
これからもっともっと練習して、絶対にあの子の隣に立つんだ!
光くんは、固く決心したのだった。
強い視線と柔らかな笑顔
光くんは、ステージでパフォーマンスが終わっても、その子から目を離すことができなかった。
ずっと目で追っていると、その子と目が合った。
その子はさっきの優しい顔とは全く違う強い視線で光くんを見つめて
なんだ、おまえ!?なんで見てるの?
と言っているような気がした。
光くんも、「目をそらすもんか」とにらみ返していたら、横からのんびりとした声がした。
あの子はね、やぶぅって言うんだよ。歌もダンスもうまいよね〜!
見とれちゃった?
いつからそこにいたのか、隣にヒョロッとした色の白い子が立っていて、笑顔で光くんを見ていた。
不意をつかれて言葉がでない光くんにゆったりと笑いかけて、ヒョロッとした子は光くんのリュックを見つめて言った。
君のリュック、おおきいね。重そうだねぇ。
重いよ!ダンベルが入ってるから。
光くんが答えると、その子は一瞬びっくりしたように目を見開き「ほぇっ…?」と変な声を出したあと、肩を揺らして楽しそうに笑った。まるでお花が咲くような笑顔で、光くんも思わずニッコリ笑っていた。
あいつ、やぶぅっていうの?
そうだよぉ。
その時、遠くから「いのちゃん行くよ〜!」と呼ばれたその子は、「は〜ぃ」と返事をして、パタパタと走って行ってしまった。
薮宏太、八乙女光/運命の出会い
オーディションに合格した光くんは、新番組の収録のために東京のスタジオに来ていた。
「八乙女くん!次の収録で『勇気100%』を歌ってもらうから、薮くんに教わっておいて。」
スタッフさんに、そう声をかけられた光くんのそばに、さっきステージにいた「やぶぅ」が来ていた。
やぶぅ…?
思わず漏れた光くんの声に、「やぶぅ」はムッとした顔をして
薮だよっ!
歌うから、早く覚えて!
さっきのステージで、あんなにニコニコしていた「やぶぅ」は、ニコリともせずに歌い出した。
なんで俺が教えるの?
こんなの歌えて当たり前だろう?
なんでできないの?
薮くんは少しイライラしていた。何回、歌ってあげても、この子はいつも同じところで間違える。じれったくなって相手を見ると、彼は大きな目を見開いてこう言った。
もう一回だけ歌って!必ずあと一回で覚えるから。
薮くんは小さくため息をつくと、返事もしないで歌い出した。
こいつ、ダンスがスゴくうまいっていわれて、新しく入った子だよな。
入ったばかりで、すぐに歌えるのかよ。
俺らはデビューまで、いっぱい練習したのに…。
そんな事を考えていた薮くんは、この子に笑顔を向けることができなかった。
だけど言葉どおり、この子はちゃんと歌ったのだ。そのうえ、
見ていたから、ダンスは覚えてるよ!
といって、完璧に踊ってみせた。
スタッフさんのいうとおり、見事なダンスだった。軽くてしなやかで、「ちょっと自分の踊り方に似てるかな」と思った。
そう思ったら、薮くんはなんだか嬉しくなって、気が付いたらその子に抱きついていたのだ。
すごいね〜!!
八乙女くんだっけ?これからよろしくね!
さっきまであんなに感じが悪かったのに、ふにゃふにゃの笑顔で急に抱きついてくる薮くんのことを、光くんは一瞬で大好きになってしまった。
うん!
こちらこそよろしくね。
光でいいよ!
伝説のシンメトリー、やぶひかが誕生した瞬間である。
はい、タイムスリップ終了。
だいぶ脚色や妄想が入っています。あしからず笑。
やぶひかの出会いを極力リアルに再現
ここからは、雑誌などをつなぎ合わせて、実際のオーディションの様子を再現してみよう。
少しずつ打ち解けたやぶひか
光くんのオーディションは、少クラのリハーサルと並行して行われたらしい。
薮くんはスタッフさんに
「次の歌収録で光くんと『100%勇気』を歌うから教えておいて」
と言われて
「なんで俺が〜!?」
と思ったそうだ。
だから、光くんと目も合わせずに、ぶっきらぼうに歌った。
光くんは、このときの薮くんを
「何こいつ!態度悪っ!東京のやつは感じが悪いな…」
と思ったらしい。
しかし宮城から毎週のように、重いリュックを背負ってやってくる光くんに、薮くんは心を開き熱心に教えてくれるようになっていく。2人で過ごす時間が長くなるにつれて、やぶひかは自然に仲良くなっていったのだった。
伊野尾慧はそこに居たか?
光くんのオーディションの日、そこに伊野尾くんがいたかどうかはわからない。
少クラのリハーサルや収録をやっていたのなら、いのちゃんも呼ばれていたかもしれないし、別の場所でレッスンをしていたのかもしれない。
しかし、「そこに伊野尾くんもいたらいいな」という願望はある。
Ya-Ya-yahに変化が!?
さて、光くんの加入により、Ya-Ya-yahは今までとは違う編成になっていく。
ジャニーズ事務所にはよくあること…
いやジャニーズに限らず、どこの世界でも実力や運がある者がのし上がっていくのは、よくあることだ。
とはいえ、かれらの心を思うと胸が痛くなる。